■視覚障碍者のためのカラーパレット。

ここでは、視覚障碍者の方へ色について解説してみたいと思います。
視覚障害といっても、生まれつきの全盲のほうと・弱視のほうとでは、
色に関する感覚が全く違います。
生まれつきの全盲の方々へ、少しでも色に関するお役立ちになれば幸いです。
視覚障害者の方に色を説明する場合、具体的な例や感覚、
経験に関連付けて説明するのが効果的です。
以下に、いくつかの色とそれに関連する感覚的な説明や具体例を挙げます。

カラーパレット

 

★赤(あか)

  

感覚: 赤は暖かさや情熱、エネルギーを象徴します。
例:
暖炉のそばで感じる暖かさ。
太陽の光が肌に触れるときの熱。
バラの花びらや熟したリンゴのような甘い香りを想像するとよいでしょう。
感情: 情熱、愛、怒り、興奮、危険、決意
具体的な色の例
熟したリンゴ、いちご、さくらんぼ。
バラやチューリップの赤い花。
消防車、郵便ポスト。
太陽が沈むときの夕焼け。
赤い唐辛子やトマト。
血液、心臓の象徴。
文化: 朱印、日の丸、赤提灯、和服のアクセント

 

★青(あお)

  

感覚: 青は冷たさや静けさ、広がりをイメージさせます。
例:
風が吹く涼しい日の海辺で感じる冷たさ。
深呼吸すると感じる空の広がりや静かな湖の表面のような落ち着き。
感情: 冷静、信頼、憂鬱、自由
具体的な色の例
晴れた日の空、広い海。
ブルーベリー、プルーン。
デニム生地(ジーンズ)。
ツユクサやアサガオの青い花。
冷たい川や湖の水。
冬の氷や凍った川。
文化: サムライブルー(日本代表)、藍染

 

★黄色(きいろ)

  

感覚: 黄色は明るさや陽気さ、喜びを感じさせます。
例:
朝日が昇るときの柔らかい暖かさ。
蜂蜜やレモンのような甘酸っぱい香り。
感情: 幸せ、希望、明るさ、注意喚起
具体的な色の例
バナナ、レモン、パイナップル。
太陽の光、ひまわり。
タクシーや黄色い信号(注意を示す色)。
たんぽぽや菜の花。
蜂蜜やカボチャの中身。
秋のイチョウの葉。
文化: 金運の象徴、春節の金色装飾、和菓子の金箔

 

★緑(みどり)

  

感覚: 緑は生命力や自然、癒しを連想させます。
例:
森の中で感じる新鮮な空気や草の香り。
雨上がりの湿った土と植物の活気ある匂い。
感情: 安心、癒し、調和、リラックス
具体的な色の例
草原、森、山の木々。
キウイフルーツ、ピーマン、ブロッコリー。
エメラルドや翡翠(宝石)。
カメやカエルの色。
四葉のクローバー。
春の若葉、新芽。
文化: 日本庭園、緑茶、茶室の装飾、緑の中間色

 

★白(しろ)

  

感覚: 白は清潔さや純粋さ、無を表します。
例:
真冬の冷たく清らかな雪を手で触れる感覚。
乾いた洗濯物や新しいシーツの香り。
感情:清潔感、信頼感、浄化/別れ、孤独
具体的な色の例
雪、氷、白い雲。
ミルク、米、砂糖。
白いバラやユリの花。
白鳥、ウサギ、シロクマ。
紙や白いキャンバス。
鳥の羽毛や卵。

 

★黒(くろ)

  

感覚: 黒は深さや重さ、安心感とともにミステリアスな印象も与えます。
例:
夜空の静けさや閉じた空間で感じる落ち着き。
土や木炭のような少しスモーキーな香り。
感情:高級感、威厳、自己確立/不吉、絶望、恐怖
具体的な色の例
夜空、影、炭。
黒猫、カラス、クジラ。
黒い服やスーツ。
黒胡椒、黒豆、コーヒー。
墨や黒板。
濃い土や岩石。

 

★オレンジ

  

感覚: オレンジは活力や暖かさ、楽しさを象徴します。
例:
柑橘類を手に取るときの鮮やかな香りとジューシーさ。
夕焼けの暖かく優しい光。
感情: 元気、親しみやすさ、創造性、温かさ
具体的な色の例
オレンジ、みかん、柿。
夕焼けや朝焼け。
秋の紅葉(オレンジ色の葉)。
カボチャ(特にハロウィンのジャックオーランタン)。
ニンジンやサーモン。
虹の中の暖かい部分の色。

 

★紫(むらさき)

  

感覚: 紫は高貴さや神秘、深い静けさを連想します。
例:
ラベンダーの花の香りや香水のようなやや甘い香り。
夜の静寂とともに感じる落ち着き。
感情: 高貴、神秘、創造性、孤独
具体的な色の例
ナス、ぶどう、ブルーベリー。
ラベンダーや藤の花。
紫キャベツ、スミレの花。
夕暮れ時の空の色。
紫色の宝石(アメジスト)。
ベルベットや高級感のある布地。
文化: 平安時代の貴族の衣装、紫式部、仏教の袈裟

 

★ピンク

  

感覚: ピンクは優しさや愛らしさ、穏やかさを表します。
例:
春に咲く桜の柔らかい花びらの感触。
綿菓子のような甘い香り。
具体的な色の例
桜、桃の花。
イチゴミルクや綿菓子。
ピンク色のバラ、チューリップ。
赤ちゃんの肌や頬の色。
フラミンゴや豚の皮膚。
春に咲く花々全般。

 

★灰色(はいいろ)

  

感覚: 灰色は中立的で穏やか、少し曖昧な感覚を持たせます。
例:
曇りの日のひんやりとした空気。
石やコンクリートに触れる冷たさ。 具体的な色の例
石、コンクリート、アスファルト。
曇り空や霧。
灰や鉛。
オオカミやゾウの皮膚。
モノクロ写真の影部分。
古い本や建物。